カンボジア初のコロナ感染症例から1年
Photo by Vann Soben, Nikkei Asia
カンボジアで初めて新型コロナウイルス感染症例が発見されてから、今日でちょうど一年になります。
2020年1月27日、カンボジア保健省(MOH)は、カンボジアで初の”Novel Coronavirus”(新型コロナウイルス)の感染事例が確認されたと発表しました。当時、Covid-19との正式な名前はまだつけられていませんでした。感染者第一号は、4日前に家族旅行で中国・武漢からカンボジア・シハヌークビルに渡航してきた60歳の中国籍の男性でした。
それ以降、カンボジア国内では、海外からの入国・帰国者から感染者が相次いで発見されました。感染拡大防止のため、カンボジア政府は4月のクメール正月の祭日を延期し、学校や公共施設などを閉鎖しました。また、空港での入国規制も厳しくし、一時観光査証発行の停止やPCR検査による陰性証明書、Covid-19対応の保険購入やデポジットを入国条件に追加しました。
厳しい規制が功を奏し、一時カンボジアの国内感染状況は少し落ち着いていましたが、昨年の11月~12月頃に、再び2つの大きなクラスター(11.3事件と11.28事件)が発生しました。また、今年の年始には、タイから帰国した移民労働者の感染クラスターが確認され、現在も感染者が増え続けています。
2021年1月26日現在、カンボジアにおけるコロナ感染者数は累計460名、治癒数は412名となっています。他国と比べると、感染者数は多くはなく、死亡者も現時点ではいません。しかし、残念ながらそれは安心して良いという理由にはなりません。この先状況がどのように変わっていくかは、誰にも予測できないからです。
世界中では、いまだに新型コロナウイルスが感染拡大を続けていますし、変異種への感染が発見される事例もありました。ワクチン接種が各国で始まったとはいえ、それでコロナウィルスが完全にこの世から無くなる訳ではないのです。今後も常にコロナウィルスの感染リスクを警戒し、日常生活において感染予防対策を怠らず続けていくことが、非常に大切だと思います。
参考文献:
- Khmer Times, “One Year On From The First Covid-19 Case In Cambodia”, 26 January 2021, https://www.khmertimeskh.com/50807376/one-year-on-from-the-first-covid-19-case-in-cambodia/
- Phnom Penh Post, “First Case of Coronavirus Reported In The Kingdom”, Long Kimmarita and Khorn Savi, 27 January 2020, https://www.phnompenhpost.com/national/first-case-coronavirus-reported-kingdom